Sony Eマウントに円周タイプの魚眼フィッシュアイレンズ(Fisheye-lens)をつけて、360度VR撮影を考えている人も多いだろう。円周魚眼とはイメージセンサーに球体状の広角な映像が得られるタイプだ。
安価で国内にて購入できることを条件に、Sony Eマウントに対応した円周魚眼レンズ180度、185度、190度の3種類のフィッシュアイレンズを見つけ出しいろいろ買いあさってみた。円周魚眼の比較用として対角魚眼のSAMYANG 8mm F2.8も用意した。
残念ながら200度以上の円周魚眼は、Entaniya Fisheye 250しかなく、40万円近くするため今回のケースからは除外した。機会があれば、別記事で性能の比較する。
かなり検索したので、同じようにSony Eマウント 対応の円周魚眼を探している人には、大いに役立つ記事であろう。無駄なレンズの購入も防げる。価格もすべて40000円以下で購入できる。
驚くことに一番安かった中国製のMeikeレンズが一番品質の良いレンズだった。記事の中盤に実際に検証した画像があるので参考にしてほしい。最近の中国製は、良いメーカーである場合は、とても高品質なことが多い。
追記:どうやらレンズに、当たり外れがあるようです。まったく品質がダメだ。。という人もいるそうで、その辺は中国製なのかもしれませんね(笑)。
以下4つのレンズで検証する。
○Lensbaby製Sony Emount用/5.8mm/F3.5/画角185°の円周魚眼レンズ
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○Meike製Sony Emount用/6.5mm/F2.0/画角190°の円周魚眼レンズ
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○画質比較用 SAMYANG/8mm/F2.8/画角180度の対角魚間レンズ
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チェックするポイントとしては、レンズの作りと各F値ごとの中央解像度と周辺解像度と収差を静止画像で見てゆく。Sony α6300にて、ISO感度はauto(上限は6400)、シャッタースピード1/30のマニュアルモードで撮影した。切り出している画像は等倍になっている。
○最低評価、絶対購入してはいけない円周魚眼レンズ
○Lensbaby製Sony Emount用/5.8mm/F3.5/画角185°の円周魚眼レンズ
このなかで最も価格が高く30000~40000円で販売されているレンズであるが、作りも非常に悪い。おもちゃのレンズのように多くの部分にプラスチックが使われている。
フォーカスリングを回すと映像も揺れる。マウントも粗悪でカメラ側が壊れそうな精度である。電子接点が破損しそうで装着すると、とても嫌な気持ちになった。安っぽく精度も低い。
フォーカスリングを回すと映像も揺れる。マウントも粗悪でカメラ側が壊れそうな精度である。電子接点が破損しそうで装着すると、とても嫌な気持ちになった。安っぽく精度も低い。
F値8.0ぐらいで撮影するのが良好な結果だった。色収差も多く宜しくないレンズだ。後悔だけ残ったレンズと言える。
周辺解像度F3.5・露出1/30・
周辺解像度F4・露出1/30・
周辺解像度F5.6・露出1/30・
周辺解像度F8・露出1/30・
周辺解像度F11・露出1/30・
周辺解像度F16・露出1/30・
周辺解像度F22・露出1/30・
中央解像度F3.5・露出1/30・
中央解像度F4・露出1/30・
中央解像度F5.6・露出1/30・
中央解像度F8・露出1/30・
中央解像度F11・露出1/30・
中央解像度F16・露出1/30・
中央解像度F22・露出1/30・
全体F3.5・露出1/30・
全体F4・露出1/30・
全体F5.6・露出1/30・
全体F8・露出1/30・
全体F11・露出1/30・
全体F16・露出1/30・
全体F22・露出1/30・
○悪くも良くもない。レトロな円周魚眼レンズ。
○安原製作所製Sony Emount用/7.3mm/F4.0/画角180°の円周魚眼レンズMADOKA180(E)
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20000円前後と安価であり、随分と昔からあるレンズだ。レンズ正面側がマウント部分より小さく可愛らしい外観である。アイリスのリングもカシャカシャ動き個人的に好みである。マウント部分もカメラ側が壊れるような不安が無い。
F8~F11程度の画質がちょうどよい。レンズが小さいためかF値も暗く、周辺の解像度もそこまで良くない。こういったレンズが好きな人にはお勧めできる。
周辺解像度F4・露出1/30・ISO640
周辺解像度F5.6・露出1/30・ISO800
周辺解像度F8・露出1/30・ISO1250
周辺解像度F11・露出1/30・ISO2000
周辺解像度F16・露出1/30・ISO4000
周辺解像度F22・露出1/30・ISO6400
中央解像度F4・露出1/30・ISO640
中央解像度F5.6・露出1/30・ISO800
中央解像度F8・露出1/30・ISO1250
中央解像度F11・露出1/30・ISO2000
中央解像度F16・露出1/30・ISO4000
中央解像度F22・露出1/30・ISO6400
全体F4・露出1/30・ISO640
全体F5.6・露出1/30・ISO800
全体F8・露出1/30・ISO1250
全体F11・露出1/30・ISO2000
全体F18・露出1/30・ISO4000
全体F22・露出1/30・ISO6400
買うべし!作りも画質も良い円周魚眼190度レンズ
○Meike製Sony Emount用/6.5mm/F2.0/画角190°の円周魚眼レンズ
17000円で購入したレンズ。小ぶりだが、ずしっと重い。はっきり言って高級感すらある。SAMYANGにも劣らない品質だ。フォーカスリングもアイリスの部分もしっとりと回る。180度以上の画角もあり、F値も2.0と明るい。F値の数値が4つ(2/4/8/22)しかないが中間でも設定できる。
F2.0でも周辺の解像感は高い。開放した明るい状態で撮影しても十分にきれいに撮影できる。これには驚いた。他の円周魚眼と比べても、明らかに画質が良い。このレンズ以外を選ぶ理由がまったく見つからない。
安い円周魚眼を購入するならばこれが一番良いと言える。
周辺解像度F2.0・露出1/30・ISO200
周辺解像度F4・露出1/30・ISO250
周辺解像度F8・露出1/30・ISO640
周辺解像度F22・露出1/30・ISO6400
中央解像度F2.0・露出1/30・ISO200
中央解像度F4・露出1/30・ISO250
中央解像度F8・露出1/30・ISO640
中央解像度F22・露出1/30・ISO6400
全体F2.0・露出1/30・ISO200
全体F4・露出1/30・ISO250
全体F8・露出1/30・ISO640
全体F22・露出1/30・ISO6400
○画質比較用としてSony Emount用の定番魚眼レンズ
○画質比較用 SAMYANG/8mm/F2.8/画角180度の対角魚間レンズ周辺解像度F2.8
周辺解像度F4
周辺解像度F5.6
周辺解像度F8
周辺解像度F11
周辺解像度F16
周辺解像度F22
中央解像度F2.8
中央解像度F4
中央解像度F5.8
中央解像度F8
中央解像度F11
中央解像度F16
中央解像度F22
全体F2.8
全体F4.0
全体F5.8
全体F8
全体F11
全体F16
全体F22
一般的なレンズは、3段くらい絞ったF値がもっとも良い画質になる。魚眼レンズの場合は収差やレンズ周辺の解像度も落ちやすいと感じるため、もっと絞ったほうが良好になるとも考えられる。
F値を絞ることで、収差(球面やコマや色)が改善されレンズの周辺の画質が良くなる。しかし同時に映像全体に回折も増えてくる。またF値を絞ることで暗くなり、ISOを上げる必要がある場合は高感度ノイズも発生してくる。
分かりやすく言えばF値を絞るほど、回折や高感度ノイズによりレンズ中央の解像感は落ちるが、収差(球面やコマや色)が改善によりレンズ周辺の解像感は良くなる。もちろん回折や高感度ノイズも発生するので、F22等では絞りすぎになる。カメラのISO感度ノイズ耐性にもよるところだろう。
静止画と動画では、ノイズの感じ方も変わるはずなので、結局のところ好みなのかもしれない。F値8.0ぐらいが程よいと感じる。
以上。予想外にMeike製レンズが一番よかった。
○Meike製Sony Emount用/6.5mm/F2.0/画角190°の円周魚眼レンズ
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