リアルタイムで360度動画配信・ストリーミングができるVR360度4Kカメラとして注目を集めているのがOrah 4iです。発売は2016年中で、プリオーダ(事前予約)は1795$です。実売は3959$になる予定。
40万近いカメラと思うと高額ですが、ライブプロセシングユニット(ステッチングボックス-つまり処理するためのパソコン)も付属すると考えると、安いかもしれませんね。
撮影から配信まで360度動画の機能がオールインワン!
何が凄いか!と言えば、リアルタイムでステッチして配信できることです。従来はGoProなど複数のカメラの映像を、ソフトウェアで繋ぎ合わせる処理が必要です。当然リアルタイムで配信はできません。Orah 4iがあれば、複数のカメラの配置、映像のチェック、カメラの位置の確認、複雑なケーブル配線、各種機器のトラブルや編集までのワークフローのチェックなどから解放されます。コンテンツの撮影に集中できます。
今まで、360度をリアルタイムで配信するならば、ATEMEとFINWEとKOLORにて展開しているLivesphereという360度ストリーミング配信サービスぐらいしかありませんでした。
そこに登場した対抗馬がOrah 4iです。撮影カメラとリアルタイムでステッチ&配信するソフトと処理するハードウェアをセットで提供します。つまりOrah 4iは、360度動画配信するための機能がオールインワンになっています。HMD(ヘッドマウントディスプレイ)で映像を見ながら撮影だってできます。
Orah 4iの仕様・SPEC
カメラは4つのタイプです。大きさは手のひらサイズです。LANコネクタが付いています。PoE(Power over Ethernet LANを使って電力を供給)
リアルタイムでステッチさせるために「ライブプロセシングユニット(ステッチングボックス)」へ4Kとなる動画を送るには有線で繋ぐ仕様なのでしょう。電源の一緒なのは、とても便利です。
外側はメタルボディ。丈夫です。
カメライメージセンサーは、2048×1536ピクセルのSony EXMOR×4つです。信頼のSony製。8層ガラスのf2.0フィッシュレンズです。
スタビライザー機能付きです。複数カメラがあるタイプでスタビライザーが付いているのは期待です。
4つのオンボードマイクを搭載しています。音の臨場感も素晴らしそうです。このサウンドって超重要なんです。立体的な音があることで、映像のなかの存在感がまったく変わります。
Camera
- Video Processor
- 2 x Ambarella™ processor
- Image Sensor
- 4 x Sony EXMOR™
- Lens
- Fisheye 4 x f2.0 fisheye 8-Layer MC Glass
- Camera exposure
- Automatic exposure
- White balance
- Automatic white balance
- Synchronization between sensors
- Hardware synchronization
- Individual video resolution
- 2048 * 1536 pixels
- Capture framerate
- 30 fps
- Body Construction
- Anodized Precipitation-Hardened Aluminum
- Heat dissipation
- Thermal pad allows high heat dissipation for long video streaming sessions
- Microphone
- 4x High dynamic range microphone
- Power
- 48V over POE
- Camera Dimensions & Weight
ライブプロセシングユニット(ステッチングボックス)の仕様
カメラだけで、リアルタイムで処理できるわけがなく、ライブプロセシングユニットに接続します。ライブプロセシングユニットは、つまりパソコンです。CPUはインテル製、グラフィックはNVIDIA製、ストレージは120GBのSSD、各種出力機能があるようです。OSはLinuxです。
Live output Resolution (pixels) が4K @ 30fpsです。4K30fpsで配信でできます。ライブですが、30秒程度の遅延はあるそうです。
Live processing unit (Stitching box)
- Live output Resolution (pixels)
- 4K @ 30fps
- Max post produced output resolution (pixels)
- 4800 x 2400
- Output Projection
- Output FOV
- 360° full spherical
- Audio Format
- 4-Channel Ambisonic @ B-Format
- Audio channel
- Video Format
- H264 High, Main or Baseline profile
- Video bitrate
- From 5 to 25 Mbps
- Output protocol
- Video framerate output
- 30 fps
- Dimensions & Weight
- 10.8 x 5.1 x 10.4 inches / 27.4 x 13 x 26.4cm 6 pounds
- Power
- 110 / 220V connected on a power outlet
Orah 4iは360度動画をリアルタイムに開放する
Orah 4iなら、今までのようにGoProを6台集めて、専用のリグで固定して、専用のソフトで時間をかけて編集しなくても、瞬時にリアルタイムで配信できます。複雑で設備や技術も必要とするLivesphere等のリアルタイム配信サービスを使わなくても、ライブプロセシングユニットで、配信の処理までできます。そこまで本当に機能が完成すれば、かなり期待の商品です!
4K30fpsで360度動画を配信できるならば、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)と組み合わせた様々なサービスに利用されるでしょう。
Youtubeの動画を見ると、ダンスの先生が踊り、それをOrah 4iで撮影して生徒が見るというモデルを紹介しています。
正直な感想としては、これならWebカメラで十分でしょう。360度の意味がない(笑)。結婚式やライブイベントなどには、とても活躍しそうです。
Orah 4i
https://www.orah.co/