Adobe Premiere Pro CCで、360度動画のYaw(ヨー)、Pitch(ピッチ)、Roll(ロール)、FOVを編集する方法を紹介します。360度動画を書き出してしまった後でも360度動画の見ている方向や画角などを変更できます。
ちなみにYaw(ヨー)は、水平方向の左右です。Pitch(ピッチ)は垂直方向の上下です。Roll(ロール)画面の回転です。FOVは視野角みたいなものです。360度動画でみた場合は球体になるので、単純に左右上下ではありません。
Yaw(ヨー)、Pitch(ピッチ)、Roll(ロール)、FOVを変更することで、固定して撮影した360度動画でもカメラワークのような動きを作り出すことができます。また360度ではなく平面で展開した場合も、面白い映像を作り出せます。360度動画の映像の幅が広がります。
実際にどのような編集が可能なのか映像で紹介
平面バージョンとVRバージョンで見え方が変わります。2つの動画を比較してみてください。設定は同じです。VR(つまり360度対応)表示させているか、いないかの違いになります。またFOVを変更しているため、360動画としては端っこがうまく繋がっていません。この部分はあとで説明します。単調な360度動画にカメラワークのような動きを感じませんか。平面バージョンでも編集方法によっては、4Kの通常の映像として使えそうです。もちろんこれだけ映像が動くとHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などでの視聴は難しくなります。
・360度動画 平面バージョン
Yaw(ヨー):0度→360度、Pitch(ピッチ):0度→360度、Roll(ロール):0度→360度、FOV:50→100→0→50と変化させます。最後にPitch(ピッチ)とRoll(ロール)とFOVを変更しています。最後にガクっとなるのは設定ミスです。
・360度動画 VRバージョン
Yaw(ヨー):0度→360度、Pitch(ピッチ):0度→360度、Roll(ロール):0度→360度、FOV:50→100→0→50と変化させます。最後にPitch(ピッチ)とRoll(ロール)とFOVを変更しています。最後にガクっとなるのは設定ミスです。
必要なAdobe Premiere Pro CCプラグイン「GoPro VR Horizon/Reframe」
上記のような編集には、GoPro VR Horizon/Reframeというプラグインが必要です。これはkolor社(現在GoPro)のAutopano Video Pro 2.5以降に含まれているプラグインです。Autopano Video Pro 2.5をインストールすると、Adobe Premiere Pro CCのプラグインにGoPro VR HorizonとGoPro VR Reframeがインストールされます。Autopano Video Proのライセンスをお持ちの人はバージョンアップしてみましょう。GoPro VR HorizonとGoPro VR Reframeプラグインをインストール後に、 Premiereのエフェクト項目に追加されます。使い方は通常のエフェクトと同じです。映像へドロップして適用できます。
Horizon/Reframeの違いと、ちょっとした課題
GoPro VR Horizonは、Yaw(ヨー)、Pitch(ピッチ)、Roll(ロール)の編集だけです。GoPro VR Reframeは、さらにFOVも編集できます。しかしGoPro VR Reframeを使えば、良いという訳ではありません。FOVが変わると360度動画として、うまく繋がらなくなります。360度動画で出力したい場合は、GoPro VR Horizonを使います。
また360度動画の場合は、GoPro VR HorizonでPitch(ピッチ)の上下垂直方向を変更しても、水平が保たれないため結局360度として、自由に見ることが難くなります。悩ましい問題です。
360度動画ではなく、平面的な出力で良い場合は、GoPro VR Reframeを使います。FOVを変更する面白い動きを作れます。
下記からAutopano Video Pro 2.5体験版をダウンロードできます。たしか体験版でもロゴが入りますが、Premiereでの操作を体感できたはずです。
http://www.kolor.com/download/
またAutopano Video Proのライセンスは日本でも購入できます。
http://digitalhobby.biz/products/list.php?mode=search&category_id=&name=Auto
「GoPro VR Reframe」設定
エフェクトから360度動画にドロップして適用させます。エフェクトコントロールから各種設定できます。
その他の細かい設定は、通常のエフェクトと同じです。
ちなみにプログラムビューから、仮想的なVRビューに切り替えできます。こちらを切り替えることで、360度の見え方をざっくりと確認できます。右したのメガネっぽいアイコンです。アイコンが無い場合は、「+」を押して表示設定できます。