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どの360度カメラを購入(おすすめ)するべきか。必ず役に立つ2017年全天球360度カメラ6機種(コンシュマー向け)の徹底比較・検証・評判チェック



2017年3月までに市販されている主要な全天球360度カメラ6機種(コンシュマー向け)を徹底比較する。どの360度カメラを買うべきか必ず役に立つだろう。静止画画質、動画画質、軽量性、耐水性、利便性、機能性などさまざまな視点から比較してゆく。必然的に360度動画を撮影できる360度カメラの徹底比較にもなっている。

主要な6機種とは、購入対象になる性能があり、カメラ2台以上で構成されている全天球(上下左右360度が撮影できる)カメラのみ選別した。広角で半球だけを撮影する全天周カメラや、性能が明らかに劣っている機種は除いてある。業務用や複数台のカメラを購入し組み合わせて360度を撮影する360度カメラも除外してある。

市販されているコンシュマー向けの360度カメラの中から、この6機種以外を購入することは考えにくい。コンシューマ用と業務用の画質の違いについては次回の記事で紹介する。

比較する6機種の全天球360度カメラを紹介


写真は左から1~6の順で並べている。この6機種を徹底比較する。

1.リコー Theta S
2.LGエレクトロニクス LG 360 CAM
3.Shenzhen Arashi Vision Insta360 Nano
4.Shenzhen Arashi Vision Insta360 Air
5.Samsung Gear 360
6.ニコン KeyMission 360

結論から。購入するならこの360度カメラだ!

結論から書こう。
360度の静止画を重視するなら「1.リコー Theta S」
安く小さく手軽さを重視するなら「2.LGエレクトロニクス LG 360 CAM」
360度の動画を重視するiPhoneユーザーであれば「3.Shenzhen Arashi Vision Insta360 Nano」。
360度の動画を重視するAndroidユーザーであれば「4.Shenzhen Arashi Vision Insta360 Air」
360度の動画及び静止画の解像度を重視するなら「5.Samsung Gear 360」
とにかくタフな360度カメラを探しているなら「6.ニコン KeyMission 360」になる。

それぞれ1~6について詳細に説明してゆく、長文となるため、流し読みをお勧めする。


6機種の全天球360度カメラ SEPC比較チェック 

まずTheta S、LG 360 CAM、Insta360 Nano/Insta360 Nano Air、Gear 360、 KeyMission 360のSPEC比較表を作成してみた。SEPCの比較から読み取れる情報を紹介する。

6機種を眺めてみると、静止画と動画の解像度、重量、内蔵メモリ外部スロットの有無、単体利用の有無、対応機種やOSの種類、防滴防塵の有無から各社のコンセプトが見えてくる。

全天球360度カメラ6機種比較表(クリックで拡大)

発売が一番古いのは2015年発売の「Theta S」だ。ファームウェアが改良され、現在でも現役である。リコーの画像処理の技術の高さや、実用性を伴う性能バランスがとても良い。360度カメラは、新製品が必ずしも高性能では無いところが面白い。

カメラの画像を合成するステッチ(貼り合わせ処理)技術のノウハウが必要であったり、画像処理をどのように行うかによって、必ずしも使いやすく高性能な機種にならないためだろう。技術の蓄積やバランスの考え方が、各社の360度カメラの特性になっている。SPECだけでは性能が決まらない点に注意が必要だ。

Lightningコネクタに直差して利用する「Insta360 Nano」は、SPEC比較表を見る限りパッとしない。しかし屋内・室内の360動画に関しては、色合いやステッチの品質が素晴らしく、なかなかスマートな360度カメラに完成している。

静止画と動画の最大解像度を持つ360度カメラは「Gear 360」である。静止画は最大7776×3888pxと8K近いサイズである。動画は最大3840×1920px@30fpsと普及しているUHD4Kサイズにまで達している。

最新の「KeyMission 360」より高いSPECだ。操作のためのスマートフォン用アプリがSamsung製に限られていることが留保となるが、カメラ単体での利用も可能だ。飛沫防水程度であるが防滴防塵も素晴らしい。

もっとも小さい360度カメラは「Insta360 Air 」。わずか4cmの球体の形状で約27gしか無い。カメラの単体利用は不可であり、撮影にはかならずAndroidスマートフォンが必要になる。

動作のための機能をすべてスマートフォンで行うため非常に小さく軽く(そして価格が安く)なっている。最新のAndroidスマートフォンで動作させると動画の性能が向上して3040×1520px@30fpsで撮影できる点が新しい。古いAndroid(というか最新ではない)スマートフォンでは2560×1280px@30fpsでの録画となる。

カメラのみの単体利用が可能で、もっとも小さい360度カメラは「LG 360 CAM」。約99×43×30mmのサイズで重さも約97と軽量だ。さらに実はオーディオ収録が空間音響(4ch)に対応している点も注目できる。

しかし画質やマイクの性能が悪く残念ながら残念である。「Theta S」クラスの品質があれば、かなり使える360度カメラであった。特筆すべき点は、プラスチックのカバーが使いやすい。他の360度カメラは持ち運び時に袋に入れる必要があり、いろいろとレンズ周りが心配になる。「LG 360 CAM」プラスチックのハードカバーでがちっと保護されているので、気軽に持ち運びが点が評価できる。しかも安い。

防滴防塵性能では、「KeyMission 360」が断トツに優れている。IPX8/IP6Xと耐水ではなく完全な防水防塵性能を持つ。防水と防塵の保護等級が最大の8等級と6等級を取得している。無駄に高性能である。ニコンのくせに(のためか)、ステッチに関する画質がイマイチであったり、アプリのソフトウェアが微妙であったりするなど、ソフトウェアの技術的な経験が不足しているように思える点が残念である。

どうしたんだニコンと言いたい。硬派な開発をしたい開発チームが負て腐りながら、作ったのではと思える残念さである。これでスマートフォンを経由したソフトウェア操作性や360度映像画質が良ければ、本当に良い製品なのに。スマートフォン系のアプリは、中国や韓国などの企業の方が技術が高く感じる。日本では技術者が少ないのかもしれない。

対応機種やOSでは、「Insta360 Nano・Air」と「Gear 360」以外は、Windows、MAC、iOS、Androidとすべての環境に対応しているアプリを提供している。

「Insta360 Nano」はiPhone専用なのでAndroidに非対応である。「Insta360Air」はAndroid専用なのでiOS非対応である。

面白いのが「Gear 360」。MACとiOS用のアプリを提供しておらず、Windowsと自社S6とS7系のスマートフォンだけで動くアプリのみである。 自社プラットフォームに敵対するAppleに対して完全に非対応で潔い。


360度静止画の画質比較

Theta S、LG 360 CAM、Insta360 Nano、Insta360 Nano Air、Gear 360、KeyMission 360の360度静止画像の画質比較を行う。比較は狭い空間で均一な明るさの室内と、広い空間で明暗の差が激しい屋外で撮影して比較する。360度カメラの性能は、採用しているセンサーやレンズだけで決まるものではない。

180度以上の広角な2つのカメラ映像を合成して360度画像を作り出す仕組みのため、空間の広さや、それぞれのカメラ側の明暗の影響により、画質が大きく影響する。この2つの映像をうまく合成処理できるソフトウェアの技術も重要だ。それらのチェックを行うため、2つの異なる環境で撮影して性能を比較する。

静止画解像度(360度) の解像度比較
Theta S 最大5376×2688px
LG 360 CAM 最大5660×2830px
Insta360 Nano 最大3040×1520px
Insta360 Air 最大3040×1520px
Gear 360 最大7776×3888px
KeyMission 360 最大7744×3872px

単純な解像度を比較すると、「Gear 360」の解像度が一番高い。続いて「KeyMission 360」となり、「LG 360 CAM」の後に、「Theta S」が出てくる。「Insta360 Nano」と「Insta360 Air」はやる気を感じられない(※正確にはスマートフォンユーザーをターゲットにしたコンセプトなののだろう。スマートフォンの画面の場合は、解像度が3Kあれば十分だ)スペックだ。

それぞれの静止画像の特徴を見て行こう、個別にじっくり見たい人は、「6機種の室内360度静止画テスト」を参考にしてほしい。

・6機種の室内360度静止画テスト
http://www.dronediy.jp/2017/03/theta-slg-360-caminsta360-nanoinsta360.html

「Theta S」は5376×2688pxと高い解像度ではないが、十分な解像度と画質がある。A4サイズの資料の大きな文字は読み取れる。何より色合いのバランスが良い。側面のステッチ部分を見ても、まったく違和感がない。狭い部屋でもここまで質の高いステッチが可能な技術力には驚きを隠せない。カメラの前後や横方向も、画質のバラツキも少なく、全体的に優れている。静止画360度の撮影なら、「Theta S」で間違いはないだろう。

「LG 360 CAM」は5660×2830pxと、「Theta S」より少し解像度が高い。正面の一部だけの品質は悪くない。しかし側面のステッチ部分の品質が非常に悪い。ステッチがズレていて、さらにその付近の画質も劣化している。価格も安く正面の画質は良いだけに、ステッチ技術の不足が残念だ。

「Insta360 Nano」と「Insta360 Air」は、明らかに解像度が足りていない。大きな文字も解読できないほど、解像度が低い。ステッチの品質や色合いなど、「Theta S」と同じぐらい素晴らしい。3000pxあれば十分なスマートフォン等のみで視聴するなら最適ともいえる。

「Gear 360」は、7776×3888pxと最大の解像度を持つ。A4サイズの資料の小さい文字は読めないが、中くらいの文字は読めるだろう。「Theta S」と比べても、解像度が一段高いことがわかる。側面のステッチ品質も高い。しかし前後のカメラの色調が微妙に異なるため、微妙にステッチの境界線が見えてしまっている。カメラの個体差の調整が足りないためか、自動補正がそれぞれ働いているためか原因はわからない。「Theta S」の方が色調の補正は優れている。

「KeyMission 360」は、最大7744×3872pxと高い解像度があるものの。残念としか言えない。正面の解像感だけなら、「Gear 360」より優れている。これは圧縮が少ないためと考えられる。側面のステッチ面になると急激に画質が劣化する。レンズの中央以外は、ボケてしまっている。※カメラの透明なレンズがつけたまま(防水状態での撮影)撮影したことが原因かもしれない。後日外、した状態で再テスト予定。

以上から、360度静止画像の撮影なら「Theta S」が一番おすすめだ。

360度動画の画質比較


本日はここまで、後日続きを書きます。



全天球360度カメラ6機種(コンシュマー向け)を徹底比較する。どの360度カメラを買うべきか必ず役に立つだろう。主要な6機種とは、購入対象になる性能があり、カメラ2台以上で構成されている全天球(上下左右360度が撮影できる)カメラのみ選別した。

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