そんなコアなゲーミングブランドであるRazerは、2015年からVR対応デバイスの標準化を計画しています。 Open Source Virtual Reality(OSVR)です。ハードウェアもソフトウェアもオープンなプラットフォームを構築してVR対応デバイスの標準化ができれば、誰もがOSやデバイスを問わないVR対応の開発を行うことができます。
誰もが参加できるVR市場なら活性化にもつながりVRゲーミング市場も発展します。パソコン関連のゲーミング周辺機器メーカであるRazerや、コアなゲームユーザーにとっては望ましい市場のはずです。
そんなRazerからバーチャルヘッドマウントディスプレーOSVRが2016年6月に発売されます。部分はモジュール式で高性能な部品に変更することができます。
巨象を倒す?OSVRのオープンソース戦略
OSVRの最大の特徴は、ソフトウェアとハードウェアのオープンソースにあります。他のHMDでもSDK(ソフトウェア開発キット)はオープンソースだったりします。しかしその企業のハードウェアでしか使えません。実質のプラットフォームに縛られています。Razerは、ハードウェアもオープンです。ソフトウェアもハードウェアも自社他社問わず自由に組み合わせできます。特定の企業のプラットフォームに縛られることなく、自由なバーチャルヘッドマウントディスプレーを実現しています。
PlayStation VR(ソニー)やOculus Rift VR(フェイスブック)のような超巨大なプラットフォーム戦略に拮抗(もしくは共存)するOSVRです。OSVRの正式名称は「Open Source Virtual Reality」です。規模で言えば巨象と戦うアリみたいなものです。果たして巨象を倒すのか、それとも踏みつぶされるのか。興味深いです。オープンソースなので共存する可能性も高いです。まあ。。話題にもならないで終わるかもしれません。
具体的に言えばWindows、Android、LinuxなどOSを選ばず、誰でもアプリの開発ができます。複数のゲームエンジンにも対応していて、ゲームの移植も可能です。すでに複数のゲーム開発会社も参加を表明しています。
ヘッドマウントディスプレーを含むVR環境のオープンソース化が成功するかどうかは、関連の開発企業がどれだけ参加するかにあります。Razerは参加企業の呼びかけに加えて、Oculus Rift VRの499ドルより、はるかに安い199ドル~299ドルでOSVRの発売をします。
2016年1月時点では、参加企業はすでに170社です。下記URLから参加パートナー一覧を確認できます。
http://www.osvr.org/partner.html
Razer OSVRのスペック
Razer OSVRキットは複数の種類があります。現在はすべて開発向けのモデルとして発売です。一般ユーザーも購入できるため、開発向けのとしていますが、DIY自作の要素が強いヘッドマウントディスプレイと考えても良いでしょう。主なスペックは1920×1080ドット、60fps、視野角が90度、120Hzのリフレッシュレートです。299ドルという価格なら納得ですが、Oculus Riftと比べる見劣りします。スタンダードなモデルを自分やサードパーティの商品を購入してパワーアップしようというコンセプトかもしれません。
IRキットが付属するモデルは299ドル、付属しないモデルは199ドルです。
アップグレートキットも各種用意されています。まだ販売はされていません。
他にもいろいろとオプションが準備されています。
Webサイトには、開発向けの設計図等も公開されています。
そういえば、PlayStation VR(ソニー)やOculus Rift VR(フェイスブック)以外にも、Google Cardboardもありました。かんばれRazer OSVR!
Google Cardboardとは折りたたみボール紙製の本体に手持ちのスマートフォンと組み合わせてことで完成するHMD。レンズが部品として付属し、目の周辺に装着することでバーチャルリアリティ体験ができる[1]。Googleが低価格かつオープンソースのヘッドセットとして設計、ユーザー自身が工作する方式で無料提供された。スマートフォンにインストールしたステレオスコープ表示ソフトウェアがこの端末とレンズを通して単一の3次元映像を見ることができる。2014年のGoogle I/Oで発表された。以降、安価で手軽なVRシステムとしてサポートが続いている。