実は、360度全方位動画を一台の一眼レフカメラで撮影できます。一眼レフカメラで撮影するため、8K以上(本記事のデータでは、最大9052×4526ピクセル)の映像を出力ができます。
こちらが一台の一眼レフカメラで作成した4Kの360度動画です。一眼レフで撮影するためスポーツカムでは、実現できない高画質な360度動画を作れます。
必要な機材を紹介
4Kの360度映像を一台の一眼レフカメラで作成する方法を紹介します。まずは必要な機材はこちらです。一眼レフカメラ。本記事ではGH4を使用しています。
対角線画角180°の魚眼レンズ。本記事ではZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye(フォーサーズアダプター ミラーレス一眼用 MMF-3)を使用しています。
パノラマ用雲台。本記事ではNodal Ninja3 MKII Starter Packageを使用しています。
三脚は、余計なものが映らないタイプがお勧めです。本記事ではVelbon スタンド型一脚Pole Pod IIIを使用しています。
ソフトはAutopano Video Pro、Autopano Pano GIGA、Adobe Premiere Proです。
8Kの360度映像の書き出しがうまく行かない件
すこし話がそれますが、8Kの360度映像の書き出しがうまく行きません。H.264動画コーデックでは、4K(4096×2048ピクセル)までしか出力できません。Autopano Video Proから8Kでデータを書き出すには、MOV動画コーデックを選択する必要があります。これがめちゃくちゃ重い。。。1秒ぐらいで100MBぐらい。またMOVは、YouTube でサポートされているファイル形式であるはずですが、なぜか360度ファイルとしてアップロードしても認識されません。うーん。ならAdobe Media Encoderで、MOVのファイルを8Kまで出力できるH.265 HEVC動画コーデックに変換できます。
https://support.google.com/youtube/troubleshooter/2888402?hl=ja&rd=1
https://helpx.adobe.com/jp/media-encoder/using/file-formats-supported-export.html
しかしH.265 HEVCは、YouTube でサポートされているファイル形式ではないため、アップロードしても認識されません。8K・・・・・・。どうやったら出力して、360度映像として楽しめるのか調べている途中です。まだ8Kは、無理なんですかね。360度動画は、8Kぐらいの画質が必要だと思うんですけどね。
8K以上のデーターはあるのに、それを生かすことができないのが残念。
一台の一眼レフで360度映像を作成する原理説明
360度パノラマ(静止画)を作成するときには、Nodal Ninja3 MKII などのパノラマ用雲台を使い、6方向(前後左右上下)の画像を繋ぎます。これを動画で行います。最大の問題点としては、静止画ならクロップ無く、180°の画像になるのですが、4Kや動画の場合、端っこがクロップされた動画になります。180°の画角を得られないため、パノラマ用雲台を使っても、画像が足りない部分が発生します。
そのため静止画の上に、動画を重ねて1枚の、クロップが無い4K動画を合成します。それを6方向で繋ぐと、一台の一眼レフで360度映像を作成することができます。ただこの場合の問題点としては、クロップされた部分を静止画像で補っているので、その部分が動かないことです。ちょっとしたトリックな映像です。
撮影手順&編集手順
まず6方向(前後左右上下)の静止画像を作成します。最後に正面を撮影すると良いでしょう。Nodal Ninja3 MKII の使い方はこちらの記事を参考にどうぞ。
http://www.dronediy.jp/2016/01/panorama-camera-satuei.html
正面の静止画像を撮影した後に、正面の4Kを撮影します。GH4の4K動画の撮影方法はこちらの記事を参考にどうぞ。
http://www.dronediy.jp/2016/09/4kdouga-satuei-kotu.html
Adobe Premiere Proを起動します。正面の静止画の上に、正面の4K動画を重ねます。露出や色合いを調整すれば、静止画像の上に、違和感なく動画を重ねることができます。クロップが無い180°の画角を持つ4K動画を作れます。
残りの5方向も同様に静止画像から動画に変換します。動画を加えたい場合は、正面の動画と同じように重ねて合成すれば良いでしょう。
次にAutopano Video Proを起動します。それぞれの画像をステッチします。カメラのレンズ設定がポイントです。GH4はマイクロフォーサーズなので、8mmのレンズですが16mm換算になります。
ステッチの品質が気になるときは、Autopano Pano GIGAで調整します。
以上で、一台の一眼レフカメラで4K~8K以上の360度映像を撮影できました。どうぞお試しあれ。一眼レフ1台で、4Kの動画が完成しました。